さいごに

別れ際、協力者の女性にお礼を渡した

商品券だ

現金はさすがに失礼だと思ったので、
1000円の商品券 3万円分にした
すると、かなり分厚くなってしまい、余計失礼になったような気がしなくもないが・・・

それもまぁ、仕方ない
お礼の気持ちがこれで伝わるのかは不安だった

彼女は、初めは戸惑ってはいたものの
最期は快く受け取ってくれた

お礼の商品券は、支えてくれた男友達と分けて、
大切に使わせて頂くと言ってくれた


これからも連絡を取り合いましょう
人生で大きな変化が会った時は
お互い報告し合いましょう、と約束して別れた


彼女のこれからの人生、幸多からんことを心から祈る


彼女の人生と私の人生
今までまったく別の道を歩んできたのに
あの事件の日に交差した
偶然なのか必然なのかわからないけど
私は彼女の存在に励まされ
彼女は私の存在に励まされた


そんな出会いがこの事件にあったなんて
おもってもみなかった


悲しい涙、悔しい涙、痛い涙、いろんな涙を流したけど
嬉しい涙も最後には流せた


警察や検察で嫌な思いもたくさんしたけど
警察官の方や、検事さん、検察事務官の方から
励まされた時もたくさんあった

「あいつナメとるんすわ。地獄に落としてやりましょう」
「私もサポートしますから、一緒にがんばりましょう」
「大丈夫です そのうち絶対良い事あります」

いろんな言葉をかけられた

弁護士さんや、診てもらった医者、犯人からは世間の厳しさを教えられた
人を訴える事の責任の重さと厳しさを知った

友達や家族に心配をかけた
理解してもらえない悲しさ、理解される嬉しさを芯から感じた


「もう十分やったよ。もう頑張らなくていいと思う。つらいなら、裁判やめたっていいんだよ」

友が言ってくれた思いがけず優しい言葉に、だからこそ「でも やっぱり頑張る!」と奮起した時もあった


自分のした事の責任は、自分しか取れない事を知った
そして最後まであきらめず全うする事の大切さを教えられた


あの日、事件の日をもしやり直せたら
またあの公園を通るかと言われたら、そりゃ通らない

でもあの事件前の自分に戻りたいかと言われたら
戻りたくない
矛盾しているけど、それが本心

この事件に関する出来事を終えた今の自分を、前の自分より気に入ってるからだ
思った以上に弱く、でも思った以上に強い部分がある自分を気に入ってるからだ


もちろん、これは今無事でいるから言える言葉だ
あの日、もし殺されてたらこんなこと言えない
もし強姦されてたら、こんな精神状態ではないだろう


私の言葉は、ただ事件に巻き込まれつつも
不幸中の幸いで無事だったヤツの戯言なのかもしれない


もっとひどい目に遭った人は、このブログを見て不快に思うかもしれない
もし貴方がそうだったら、ごめんなさい


でも、私は私の視点でしか書けないので、どうかご容赦頂きたい


事件以降テレビで流れる性犯罪の事件を見るたび
被害者の無念を思うたび

「何かしなくちゃ、何かしなくちゃ」

と焦る気持ちで一杯になっている


その「何か」の、初めの一歩がこのブログだ


読んでくださった貴方、
何かこのブログから得て頂けたら、私はこの上なく幸せです


ありがとうございました

報われた日

目撃者であり、協力者である彼女と喫茶店で待ち合わせした



喫茶店に私が着いたとき、店員さんが言った

「お待ち合わせですね?既に来られているので、ご案内します」

私は彼女にお礼を言う側なのに、先に到着しなかった無礼を謝り、
お礼の気持ちを伝えた

彼女は私の勇気を称えてくれ、心の底から労ってくれた

彼女の優しさに触れ、私の涙腺は崩壊した
誰の前でも泣かなかったのに、あの日の私を知ってる彼女の前では
素直に「怖かったし、つらかった」と正直になることができた

そしてどれだけ彼女の存在が心強かったか、止まらない涙と共にお礼を伝えた



すると彼女は、「お礼を言うのは私の方なんです」
と話し始めた



「私、実は子供の時にあなたと同じような経験をしたんです。
あなたに比べたら全然大した事ない内容なんですが、
とても怖かったんです。
その時は子供だったし、何が自分に起こったのかよく理解できてなくて
警察にも親にも話せないまま自分の中に閉じ込めてしまったんです。
そのことは大人になるにつれ、徐々に忘れていったんですけど・・・。
私、30歳目前なのですが、学生時代に1人と付き合ったきり、その後誰とも付き合えなくて。
男性と二人きりになるのがなんだか怖くて、うまくいかないんです。
どうしてなんだろうってわからなくて、自分に何か問題があるんだろうと思い込んでいたのですが、
あなたの事件に遭遇したのをきっかけに、子供の時の記憶が蘇ってきたんです。」


なんということだ
彼女自身も性犯罪の被害者だったんだ。。。
しかも子供時代なんて、心の傷は計り知れないほど大きいだろう

彼女はつづけた


「記憶が蘇ってきて、つらくって。
裁判に証言者として出なくてはいけなくなるかも、と検事さんから聞いた後は余計つらくなって、
毎晩のように過去の経験のフラッシュバックで苦しむようになって・・・。
犯人と、といっても私の事件の犯人ではないんだけど、性犯罪の犯人と対峙しなければいけない恐怖がすごくて。
会社で泣きだしてしまう事もあったりして、すごく不安定になってしまったんですね。
でも私よりひどい目に遭ったあの女性は、勇気を出してそれを訴えて犯人に罰を与えようとしている。
そう思ったら、私も頑張らなきゃ、乗りこえなきゃと思う様になって。」


私の知らないところで、彼女も同じように苦しんでいたのだ


やっぱり一緒に戦ってくれていたのだ


「裁判に出なくてよくなった、と検事さんに聞いてからは、夜つらくなることはなくなったんですけど、
私、男性に頼るのも苦手だったのですが、その不安定な時期に私が事件の目撃者になった事を知る男友達に支えてもらったりして
男性に頼る事ができる今までにない自分を発見できたりしたんですね。

あの事件に遭遇したことは、そしてあなたに出会った事は運命だったんだと思います。
あなたの戦う姿を見て、自分も過去を乗り越えようと思えました。
だからお礼を言うのは私の方なんです。」



彼女も泣きだしてしまい、二人で泣いた
一緒に乗り越えたんだ、私たち


「母には全て話していて、母もとてもあなたに感謝していました。
これ母から、是非あなたに渡して欲しいと頼まれました」


大きな袋の中には、キレイに洗われ小分けにされた
いろんな種類の野菜が入っていた
見てるだけで元気になるほど、ピカピカしていた
彼女のお母さんが家庭菜園で作った野菜だそうだ


優しさが芯まで伝わるプレゼントで本当に嬉しかった


私のこの経験は完全なる無駄、ではなかったな

この半年が報われた気がした

いろんなつらい目にあったけど、
この世って捨てたもんじゃないな

こんな風に知らないところで
人がつながり合って、影響し合って、助け合っているのなら




この世は、この人生は、もしかしたら生きるに値するのかもしれない




そう思えた

ありがたい

慰謝料の使い道

判決が下り、一段落した

慰謝料も受け取ったので使い道を考えることにした


まず、性犯罪被害者サポート団体への寄付と
車で通りがかった女性で、ご協力頂いた方へお礼をしようと思った


性犯罪被害者サポート団体は、ネットで見つけた民間の団体だ
警察がやっている機関もあるが、
民営の団体に寄付することにした

ネットバンキングでお金を団体の口座に送付した

すると数日後、ネットバンクの担当者から電話があった
用途も振込元も不明なお金が振り込まれていると、その団体から問い合わせが来たそうだ

私は寄付金ですので、活動に役立ててくださいと担当者伝えた

寄付する人が少ないのだろう、そう思った
一応寄付用の口座に振り込んだのだけど。
きっと資金は足りてないだろう
少しでも足しになれば嬉しい




そして、あの事件の日、車で通りがかり、私を保護してくれた女性に
ご協力頂いたお礼をしようと連絡した

事件の数日後に一度お礼には伺ってはいたが
検事から、その女性がとても協力的であったことや
裁判に出廷しても良いと言ってくれてる事を聞いていたので
勝手に一緒に戦ってくれてる様な気がしていた
とても心強かったのだ

その感謝を伝えたかったし、彼女が聴取のために割いた時間や労力に対しての対価を
慰謝料から払うべきだと思ったからだ


それに彼女はあの日、取り乱し泣きじゃくっている私に遭遇し、保護してくれた人なので
平気なフリをした仮面を彼女の前では被らないで済む気がしていた

サポートしてくれた彼女と、事件について
その後の事について、できればゆっくり話がしたいと思った


彼女は会う事を快諾してくれた

判決の日

判決の日を迎えた

検事から電話が来た
夕日が綺麗な夕方だった






「3年半の実刑が決まりました」






検事が要求していたのは3年から4年の実刑だったため
まあ、納得のいく判決が下ったと言える

肩の力が抜けた気がした
やっと終わったんだ



犯人に宛てた手紙を不当に使われ、最後の最後まですったもんだしたものの
なんとか落ちるところに落ち着いた


やっと終わった 長かった


警察、検察の関係者の皆様、ご尽力ありがとうございました
そして協力者の女性にも感謝の気持ちでいっぱいだ





判決後すぐ刑が執行されたとして
男は東京オリンピック前には出てくる
その後は更生施設に送られるそうだ


性犯罪というのは、犯人の性癖や性的欲求のレベルに問題があって起こる場合がほとんどだろう

それって本能的な部分だから、
更生施設で何かしたところで、特に何も変わらないだろうと思う

ただ、20代という血気盛んな時を数年でも奪う事により、
被害者の数は減らせたのではないかと思う
その可能性だけが、これまでの涙を乾かす気がする



性犯罪者の再犯率がものすごく高い事は周知の事実だが
日本政府はそれに対して対処は十分しているのだろうか
欧米では性犯罪者にはGPSが付けられ
近隣住民はサイトからその性犯罪者の位置を確認できるシステムがあるらしい
性犯罪者に人権なんてないのだ

日本もこういうシステムを導入すればいいのに
数年刑務所に入っただけで、また普通の生活が送れるようになるなんておかしい
仕事は解雇され、家庭も失い、社会的信用も失い、
それ相当の罰は受けたからもう普通の人になってもいいですよって訳にはいかんでしょう


GPSが無理なら、パッチを貼るとか何かで半永久的に性欲減退させるべきだ
今の科学の力があれば開発するのは簡単だろう
だれか開発して、導入してください
もう本当お願いします




私たち被害者は訴える事で本名を犯人に明かしてる
逆恨みされる可能性だってある
実刑が下されて裁判が終わったところで、事件前の自分には戻れないのだ

弁護士の裏切り

そして、いよいよ裁判が始まった

 

私は見に行かなかった

 

裁判終了後、検事から電話があった

 

裁判内容の報告かと思ったが、内容は予想外の事だった

 

 

なんと裁判で、私が犯人に宛てて書いた手紙が弁護士によって公表されたと言うのだ

 

弁護士は、私の手紙を無断で読み上げた

検事によると、裁判員や裁判官に被害者の一人は既に犯人を許している、と誤解を与えるような使われ方だったそうだ

 

 

 

良かれと思ってやった事が、完全に裏目に出た

やっぱりキレイ事では済まされない世界だ

心を許した弁護士に、都合の良い様に使われてしまった自分を責めた

やっぱり手紙なんか書かなければ良かったのに、変な老婆心から余計な事をした

全くの偽善的行為

この手紙のせいで、犯人の刑が軽くなったらどうしよう

他の被害者に顔向けできない…

 

 

手紙を裁判で使用するなど、弁護士からは一言も聞いておらず、ましてや犯人許す気など無い事は伝えた上で手紙を渡している

意に反する、全く不当な使われ方だったのだ

 

 

検事には手紙の事を知らせてなかったので、裁判で弁護士から手紙を出されかなり焦ったようだった

 

 

「事前に知らせてくれてたら、まだ対応出来たのですが…

このままだと裁判官や裁判員に誤解を与えたままになる可能性があります

他の被害者家族も弁護士のやり口に憤慨しています

弁護士と面談した時の被害者家族に言ってたことと、裁判で言ったことがかなり違ったようなのです」

 

弁護士って、汚いじゃん!

仕事とはいえ、汚すぎるんじゃないか?

女性だから理解できますって顔して油断させて、裁判では被害者の気持ちを踏みにじる

仕事だから仕方ない?

やり方があるだろう

あの手紙を受け取った時、これは良い材料になる、あの弁護士はそう思ったんだろう

 

 

弁護士には要注意だ

 

 

後悔先に立たず・・・

このままだと刑が軽くなる可能性がある

なんとか挽回しなければならない

あの手紙の真意を、判決前に裁判官と裁判員に伝えなければならない

 

 

検事の薦めで、真意を伝える手紙を書いて裁判所に提出した

 

 

犯人を許したことなどない事

弁護士にもその意思は伝えた上で手紙を渡した事

不当な使われ方をして、かなり傷つき怒っているという事を伝えた

 

余計な事をして、最後の最後まで振り回された裁判だったが、やれる事は全てやった

 

あとは判決を待つのみとなった

裁判員裁判

夏の終わりになっていた

いよいよ裁判が始まるという時に

ヤクザの様な検事から、若い検事に変わった

変わった理由は聞かされなかった

 

その若い検事と初対面した

年齢は30歳そこそこ?くらいで、なんとも頼りない印象だ

しかし物腰はものすごく柔らかく、とても丁寧な対応だった

 

その検事に耳を疑う事を言われた

 

 

「実は、裁判官があなたの出廷を望んでいるのです。」

 

 

私は動揺して返答した

 

 

「でも、犯人は動機も認めたし、出廷する理由は無くなったと聞きましたが…」

 

 

「私もそう思うのですが、裁判官は今回は裁判員裁判である事から、裁判員が納得する裁判をしたい様なのです。なのに被害者が1人も出廷しないのは、どうにも物足りない。貴方(私)は犯人が動機を否認していた時は出廷する気でいた人なので、変わらず出廷して欲しい、と言い出したのです。

被害者の気持ちを考えてない、と私も思います。でももし出廷しなければ裁判官の印象を悪くし、判決に悪影響を与えるかもしれない、という可能性を否定する事は出来ません。」

 

私は絶句した

裁判を充実させるために、必須でもない被害者を裁判に引っ張り出す

そんな裁判官がいるのだ

 

めちゃくちゃ断りたかった

しかし、私1人の裁判ではない

他の被害者2人と一緒に起こした裁判なのだ

私が出廷しない事で、判決が甘くなるのはどうしても避けたかった

 

出たくないが、どうしてもと裁判官が言われるなら出る

でもこれ以上、晒されたくない

このまま静かにしていたい

私が出なくても、正しい判決が下ると信じている

 

検事に薦められ、その様な旨の手紙を裁判官に書いた

 

 

後日、出廷は不要と裁判官が判断したと検事から連絡があった

気持ちが伝わったようで、安心した

 

 

ただ、被害の内容に不明点があるので、もう少し詳しく聞いて欲しいとの事

 

その検事とまた面談する事になった

 

面談で聞かれたのは、

犯人が私の股間を触った時の状況だった

 

もっと詳細に教えて下さい

詳細も何も聴取にある通りなのだが、検事は

「手の角度はどのようでしたか?」

などと聞いてくる

 

手の角度?なんて覚えてる訳ないだろ

見てもないのに

心の中に黒い気持ちが広がりだした

 

検事は続けた

 

 

「犯人の手の角度を画像として裁判に提出したいのです

触られた時の手の角度を、やってみてもらえますか」

 

そんなの知らねえよ

馬鹿馬鹿しい

イライラしたが、この人達も仕事でやっているのだ

無理矢理納得させて、想像で手の形を作って教えた

それを事務官が撮影した

 

なんだこれ

この写真いる?

まるで嫌がらせだ

 

私は服の上から股間を触られた

それだけだが、これがもし強姦されていたらどんなことを聞かれるのだろう

そう考えたら背筋が寒くなった

警察や検察での聴取はこんなもんじゃない

もっともっと嫌な事を何回も何回も聞かれるのだ

 

性犯罪の被害者の9割は泣き寝入りする

そりゃ納得だ

股間触られただけなのに、これだもん

私だって強姦されたら泣き寝入りするかもしれない

 

でも訴えないと犯人は野放しのままになる

そしたら被害者が増えるかもしれない

それは許せない

 

強姦でも訴えたか? 

わからない

でも訴えたい

でも今の仕組みの中では、耐えられそうにないかも 

 

被害に遭った人が、勇気を持って訴えやすい環境がいる

訴えた被害者を国側は守る義務がある

もっと被害者をサポートする仕組みが要る

 

そう思う

強制わいせつ致傷の慰謝料

弁護士に会いに行った

慰謝料を受け取るために

 

 

金額を聞いて驚いた

 

 

 

50万

 

 

 

 

こんな金額を受け取っていいのか

誰から出てるお金なのか

いろいろ聞いた

 

弁護士さんは言った

 

「このお金は、被告人の両親から出ています。被害者3人に同額が支払われます。両親は裕福とは言えない人達ですが、どうにか工面してもらいました。

被告人が刑を終えて出てきた時に、両親に借金をして負い目がある方が、更正に向かって働く意欲に繋がると考えました。その為には中途半端な額ではなく、この程度の借金を負わせた方が良いと思ったので。

ですから、被告人の更正のためにも受け取って下さい。」

 

 

そういうことなら・・・と、気持ちよく受け取った

 

 

弁護士さんは続けた

 

 

「慰謝料を受け取った後、心境に変化はありましたか?今でも被告人に厳しい判決が下ることを望みますか?」

 

やはりタダの慰謝料は、無いのだな

弁護士は私から犯人を許す、という言葉を引き出したいようだった

 

 

やはり同じ女性でも弁護士は弁護士

被告人の刑を少しでも軽くするのが弁護士の仕事

彼女は弁護士として仕事を全うしなければならないのだ

 

 

私は言った

 

「犯人には厳しい判決が下ることを望みます。その気持ちに変わりはありません。」

 

慰謝料も受け取るし、告訴もする

二重に罰を与える意思は揺るがなかった

 

 

弁護士さんは頷いて、続けた

 

 

「被告人の奥さんですが、離婚はしない様です。この事件を知って、夫に対する愛情は全く無くなったのですが、離婚して見放すと、夫が余計に自暴自棄になってしまうかもしれない。そして新たな被害者を出すかもしれない。それが怖いので離婚出来ない、のだそうです。」

 

 

 

 

神か!どんなボランティア精神か!

母親でもあるまいし。

お人好しすぎるのではないか?

自分の夫がいきなり犯罪者になる心境を想像すると、

他人事ながら怒りが湧いてきた

「こんなはずじゃなかった」

そう思って、過去の自分の選択を何度も後悔しただろう

やるせない 

 

 

弁護士さんとの話を終え、慰謝料を受け取り、

これ以上の慰謝料は要求しない旨の念書に署名して帰宅した

 

 

後日、検事に慰謝料の金額を聞かれ答えたら

安すぎる!との返答だった

私ほどの被害なら、70万は取れたとの事

 

 

父に伝えたところ

50万なんてとんでもない

1000万くらいは貰わんと割に合わん

自転車で倒された時、打ち所が悪ければ死んでた可能性もあるじゃないか!

と言っていた

 

確かに。

 

受け取った後だったので、もうどうしようもないが、

貰う前に誰かに相談したら良かったかもな、と思った

念書に署名した後ではどうしようもない

 

雨の日に変な頭痛がするのは、事件の時の後遺症かもしれないし、

この嫌な頭痛はずっと治らないかもしれない

何年か後にイキナリ出るムチウチの後遺症もあるらしい

それが私に出ない可能性はゼロではないのだ

 

何より心に受けたショックは甚大だ

 

 

被害者になってしまった貴方、

1人でなんでも決めるのは、私の様に損するかもしれない

冷静に判断し、交渉できる人にその都度相談して欲しい、

そう思った