強制わいせつ致傷の慰謝料
弁護士に会いに行った
慰謝料を受け取るために
金額を聞いて驚いた
50万
こんな金額を受け取っていいのか
誰から出てるお金なのか
いろいろ聞いた
弁護士さんは言った
「このお金は、被告人の両親から出ています。被害者3人に同額が支払われます。両親は裕福とは言えない人達ですが、どうにか工面してもらいました。
被告人が刑を終えて出てきた時に、両親に借金をして負い目がある方が、更正に向かって働く意欲に繋がると考えました。その為には中途半端な額ではなく、この程度の借金を負わせた方が良いと思ったので。
ですから、被告人の更正のためにも受け取って下さい。」
そういうことなら・・・と、気持ちよく受け取った
弁護士さんは続けた
「慰謝料を受け取った後、心境に変化はありましたか?今でも被告人に厳しい判決が下ることを望みますか?」
やはりタダの慰謝料は、無いのだな
弁護士は私から犯人を許す、という言葉を引き出したいようだった
やはり同じ女性でも弁護士は弁護士
被告人の刑を少しでも軽くするのが弁護士の仕事
彼女は弁護士として仕事を全うしなければならないのだ
私は言った
「犯人には厳しい判決が下ることを望みます。その気持ちに変わりはありません。」
慰謝料も受け取るし、告訴もする
二重に罰を与える意思は揺るがなかった
弁護士さんは頷いて、続けた
「被告人の奥さんですが、離婚はしない様です。この事件を知って、夫に対する愛情は全く無くなったのですが、離婚して見放すと、夫が余計に自暴自棄になってしまうかもしれない。そして新たな被害者を出すかもしれない。それが怖いので離婚出来ない、のだそうです。」
神か!どんなボランティア精神か!
母親でもあるまいし。
お人好しすぎるのではないか?
自分の夫がいきなり犯罪者になる心境を想像すると、
他人事ながら怒りが湧いてきた
「こんなはずじゃなかった」
そう思って、過去の自分の選択を何度も後悔しただろう
やるせない
弁護士さんとの話を終え、慰謝料を受け取り、
これ以上の慰謝料は要求しない旨の念書に署名して帰宅した
後日、検事に慰謝料の金額を聞かれ答えたら
安すぎる!との返答だった
私ほどの被害なら、70万は取れたとの事
父に伝えたところ
50万なんてとんでもない
1000万くらいは貰わんと割に合わん
自転車で倒された時、打ち所が悪ければ死んでた可能性もあるじゃないか!
と言っていた
確かに。
受け取った後だったので、もうどうしようもないが、
貰う前に誰かに相談したら良かったかもな、と思った
念書に署名した後ではどうしようもない
雨の日に変な頭痛がするのは、事件の時の後遺症かもしれないし、
この嫌な頭痛はずっと治らないかもしれない
何年か後にイキナリ出るムチウチの後遺症もあるらしい
それが私に出ない可能性はゼロではないのだ
何より心に受けたショックは甚大だ
被害者になってしまった貴方、
1人でなんでも決めるのは、私の様に損するかもしれない
冷静に判断し、交渉できる人にその都度相談して欲しい、
そう思った