弁護士の裏切り

そして、いよいよ裁判が始まった

 

私は見に行かなかった

 

裁判終了後、検事から電話があった

 

裁判内容の報告かと思ったが、内容は予想外の事だった

 

 

なんと裁判で、私が犯人に宛てて書いた手紙が弁護士によって公表されたと言うのだ

 

弁護士は、私の手紙を無断で読み上げた

検事によると、裁判員や裁判官に被害者の一人は既に犯人を許している、と誤解を与えるような使われ方だったそうだ

 

 

 

良かれと思ってやった事が、完全に裏目に出た

やっぱりキレイ事では済まされない世界だ

心を許した弁護士に、都合の良い様に使われてしまった自分を責めた

やっぱり手紙なんか書かなければ良かったのに、変な老婆心から余計な事をした

全くの偽善的行為

この手紙のせいで、犯人の刑が軽くなったらどうしよう

他の被害者に顔向けできない…

 

 

手紙を裁判で使用するなど、弁護士からは一言も聞いておらず、ましてや犯人許す気など無い事は伝えた上で手紙を渡している

意に反する、全く不当な使われ方だったのだ

 

 

検事には手紙の事を知らせてなかったので、裁判で弁護士から手紙を出されかなり焦ったようだった

 

 

「事前に知らせてくれてたら、まだ対応出来たのですが…

このままだと裁判官や裁判員に誤解を与えたままになる可能性があります

他の被害者家族も弁護士のやり口に憤慨しています

弁護士と面談した時の被害者家族に言ってたことと、裁判で言ったことがかなり違ったようなのです」

 

弁護士って、汚いじゃん!

仕事とはいえ、汚すぎるんじゃないか?

女性だから理解できますって顔して油断させて、裁判では被害者の気持ちを踏みにじる

仕事だから仕方ない?

やり方があるだろう

あの手紙を受け取った時、これは良い材料になる、あの弁護士はそう思ったんだろう

 

 

弁護士には要注意だ

 

 

後悔先に立たず・・・

このままだと刑が軽くなる可能性がある

なんとか挽回しなければならない

あの手紙の真意を、判決前に裁判官と裁判員に伝えなければならない

 

 

検事の薦めで、真意を伝える手紙を書いて裁判所に提出した

 

 

犯人を許したことなどない事

弁護士にもその意思は伝えた上で手紙を渡した事

不当な使われ方をして、かなり傷つき怒っているという事を伝えた

 

余計な事をして、最後の最後まで振り回された裁判だったが、やれる事は全てやった

 

あとは判決を待つのみとなった